2016/12/01

12月の園だより

 陰暦で12月を「師走」と表わしますが、これはお坊さんがお経をあげるために走り回るという事から来たと言われています。
 各ご家庭でも今月は、大晦日まで多忙な毎日と拝察致します。
また、暮れには一家総出の念入りな掃除を計画されていることでしょう。
 その折にはお子さんに無理のない程度の役割りと時間を与えてやって下さい。そしてその役割りを果たした時は大いに誉めちぎって下さい。このことでお子さんは、認められた喜びを実感し、自信が持てるようになり、自己肯定感が生まれます。











人は他者からの言葉ひとつで自信が湧き、自分はかけがえのない存在であることを自覚します。一方では、言葉ひとつで自信を喪失し、自分は不安な存在であると思い込んでしまうことがあります。
 後者の場合は往々にして不幸な結果を招くことがあります。


子ども同士、子どもと大人、大人同士いずれの関係においても相手の人格を尊び認め、その上で励まし労う言葉のキャッチボールが大切と強く思います。












2016/11/01

11月の園だより





 運動会では子どもたちの純粋な頑張りに心打たれ、身が清められる思いがしました。
 いよいよ文化の秋が深まってきました。今月末の作品展では、どんな豊かな表現をしてくれるか、今から楽しみにしています。
 これから木々の葉は、ハイスピードで色づきはじめます。その
時期や色あいは、千差万別です。子どもたちもまた、その成長や
個性は人それぞれです。



<夕餉の話題>
 
 上の絵は何に見えますか?


ものの見え方、感じ方、考え方は人によって違います。たとえそれが親子であっても同様です。子どもの個性や持ち味を尊重しながら善悪の判断と基本的生活習慣の確立を図っていきたいものです。













2016/10/03

10月の園だより

移動動物園より


 いよいよスポーツの秋の到来です。子どもは運動や遊びが大好きです。これを通して自然に平衡感覚、巧緻性、筋力を身に付けていきます。ただし発達のスピードは十人十色、百人百様です。いわゆる個性と言われるものです。
 『這えば立て、立てば歩めの親心』は時として、子どもに重くのしかかることがあります。親は我が子の発達段階に応じた支援が必要と思います。


<夕餉の話題>
 
 江戸時代に本当にあったかどうかは、定かではありませんが他人とのトラブルを避けるため『江戸しぐさ』と言われるものがあります。


傘かしげ (傘を外側に傾けすれ違う)
肩引き  (すれ違う時、左肩を路肩に寄せて歩く)
七三の道(道の真ん中を歩かない)
こぶし腰浮かせ(人のためにこぶしをひとつ分浮かせて席をつくる)
この他 〇時泥棒 〇うかつあやまり 〇逆らいしぐさ など


<私事>


◎出勤途中、狭い歩道を向こうから若い夫婦と子ども2人の4人連れがやって来ました。私は道をゆずるため端で待っていました。
ところがその若い夫婦は何のアクションも言葉もなく私の存在を無視するかのように通り過ぎて行ってしまいました。相田みつを氏流に気持ちを表わすならば


『情は人のためならず』と思えば心静まる『情は人のためならず』と思えど腹が立つ、どっちも私でした。


◎妻によく荷物持ちで買い物に連れていかれます。
スーパーの人混みの中、通路の真ん中でボーッとしていると、「迷惑!邪魔!!」と袖を強く引っぱられ叱られます。


『人の振りみて我が振り直せ』の典型ですね。

2016/09/02

9月の園だより

 
 長い夏休みが終って「せんせい!あのね・・・」と楽しい思い出を報告している姿が目に浮んできます。
 いろいろな体験をして、体も心もひとまわり大きくなった成長ぶりを見るのが楽しみです。
 一方、休み明けはご家庭中心の生活のリズムが抜け切らず、園生活をやり直しをしなければならない場合があります。その時は、早く元の園生活に戻れるように、ご協力のほどよろしくお願い致します。



<夕餉の話題>


次のような笑い話があります。


『世界嘘つき大会』で優勝した嘘は「私は絶対に嘘はつきません」
という嘘だった。


 絶対という言葉を調べてみると(何物にも比較できない事)(それだけが全てであること)とあります。
 平均寿命が男女とも80歳を優に越える今、功罪は別として、一生の間に全く嘘をつかない人が存在するでしょうか。悪意に満ちた嘘から相手を思い、安心させ、喜びをもたらすような嘘まで、どんな人でも何度かはついているように思います。


 子どもは、どこまで自分の嘘が通用するか試しているようなところがあります。また、罪のない架空の物語や空想を語るのが大好きです。このような時、親が気をつけなければならないのは、嘘を  見逃さない事と、その対応の仕方です。
ある本に次のような事が書いてあります。



子どもの嘘は大きく4つに分けることができる。

(1)こうありたい、こうしたいという願望
(2)空想・想像からくる思い
(3)自分が得したいという気持ち
(4)人を傷つけるため


(1)(2)の場合は「そうだといいね」と相づちを打ちながら現実を知らせる。
(3)は知らん顔作戦。「何をつまらない事を・・・」という顔つきで聞き流していると、この方法は通らないことがわかって、自然に言わなくなる。
(4)はしっかり向き合って、人の迷惑や心の痛手を知らせ、それでも度々言うようであればきちんと叱る。


嘘の中には、想像性を高めたり、虚構の世界を夢みたり、価値のあるものが入っている事もあるので、嘘のひと言でまとめてすぐ叱ったりせず、よく聞いて内容を見極める。


◎最も重要なことは、親・ご家族が同じ認識を持ち、同じ対応をすることだと強く思います。



2016/07/01

7月の園だより





 


 長い夏休みが始まる7月になりました。
今月は年長さんのお泊まり保育があります。
お子さんにとってこれは期待と不安どっちが大きいでしょうか?
一人ひとり聞いてみたいところです。
 
 私は終業式で子ども達に次のような話しをするつもりです。
「夏休み中は 早寝 ・早起き・お片づけを頑張りましょう。この他雪組さんは お手伝いも頑張ってみましょう。」
 基本的な生活習慣を身に付けさせるためにはこの夏休みの有効活用が大切と考えます。


〇各ご家庭、楽しい思い出がいっぱい残る夏休みになるよう願っています。


<夕餉の話題>


 人間は他人に尽くして喜ばれ、その喜びを共有できるのが他の動物との違いであり、人間の持つ本性でもあるそうです。
 ある教えに『無財の七施(しちせ)』というのがあります。
これはお金や物で「ほどこし」をしなくても他人に喜んでもらえ自分も心が安らぐというものです。

 一、和顔(わがん)施・・穏やかな笑顔・和やかな表情
 
 二、愛語(あいご)施・・優しい愛情のこもった言葉や挨拶
 
 三、慈眼(じがん)施・・慈しみのある眼差し


 四、心施・・・・思いやりの心


 五、身施・・・体をつかっての手助けや奉仕


 六、床座(しょうざ)施・・場所や席ゆずり


※七、房舎(ぼうしゃ)施・・・泊めたり、雨やどりの場所提供


このことはだれでも、どこでも、いつでもできる事です。
(※については今の世の中、ちょっと難しいかもしれませんが・・・)
これにより温もりのある人間関係が生まれ楽しい明るい毎日を送れるようになると思います。






2016/06/01

6月の園だより



 いよいよ梅雨の季節になりました。梅雨は中国から伝わった言葉で 「梅の実が熟す頃に降る雨」 という意味だそうです。
こんな時期でも子ども達は元気です。雨が上がるやいなや園庭に飛び出し一目散に水たまり目がけて走り出します。
6月中に園では内科、歯科、眼科の健康診断を行います。お家でも毎朝、次のような観点での健康観察をしてみて下さい。


〇何となく元気がない
〇機嫌が悪くずっとぐずっている
〇目がとろんとしている
〇食欲がない
〇ぼ~っとしている


こんな時は体調を崩す前ぶれであることが多いようです。


<夕餉の話題>


教員時代の研修で「無秩序の連鎖」についての心理学理論「破れ窓理論(ブロークン・ウィンドウズ理論)」を学んだ事があります。


割れた窓ガラスを放っておくと地域の関心が薄れて同様の軽犯罪を招きやがて凶悪犯罪につながるという学説


学校でも掲示物がはがれたままになっていたり、黒板がいつも汚れた状態であったりすると美化意識や整理整頓への関心が薄れ学校の荒れの元になるというものでした。
ご家庭でも気をつけたい事柄のような気がします。


2016/05/02

5月の園だより

風薫る5月になりました。見上げると青空には、雪組さん手作りの鯉のぼりが元気に泳いでいます。また暖かくなった園庭では虫たちが活発に動き出し、子ども達は手に持ったビニール袋の中にダンゴ虫やバッタ、カマキリ、カタツムリの赤ちゃんを入れ嬉しそうにしています。私は囚われの身となった虫の『い・の・ち』が心配です。
虹組さんは、園での生活が間もなく1ヶ月になろうとしています。初めはあちらこちらでお母さんを求めての泣き声が聞こえていましたが、今はすっかり落ち着いて賑やかな中にも和やかな時が流れています。

<夕餉の話題>
万葉の歌人 山上憶良は次のような和歌を詠んでいます。

------------------------
瓜食めば子ども思ほゆ 栗食めばまして偲はゆ 何処より来たりしものそ眼交にもとな懸かりて 安眠しねさぬ
(うりはめばこどもおもほゆ くりはめばましてしぬはゆ いずこよりきたりしものそまなかいにもとなかかりて やすいしねさぬ)

瓜を食べると子どものことが思われる。
栗を食べるといっそうしのばれる。
いったい子どもはどこから来たものか。
(子どもの面影が)目の前にしきりにちらついて私を安眠させないことよ。

[反歌]
銀も金も玉も何せむに 勝れる宝 子に乃かめやも
(はがねもくがねもたまもなにせむに まされるたから こにしかめやも)

銀も金も玉の宝石もどうして子どもというすぐれた宝におよぼうか。およびはしない。
------------------------

お子さんは保護者の皆さんにとって無二の宝物を思います。そしてその宝物は磨き上げることにより輝きを増し、よりすばらしいものになっていきます。ダイヤモンドはダイヤモンドによって磨かれます。お子さんも集団生活の中で子ども同士の触れ合いや助け合い、時には意地の張り合い、ぶつかり合い等によって磨き合うことが大切かと思います。

2016/04/08

4月の園だより

桜花爛漫、草木の命の萌え出ずし春4月がやってきました。
入園、進級おめでとうございます。
いよいよ小さな胸に大きな期待と不安を詰め込んで登園してくる新入園児と上のクラスに進級し出会いと想いを新たにした在園児とによって28年度の幕が開かれました。

<夕餉の話題>

新たな出会いでは『あいさつ』がとても重要な役割を担います。『あいさつ』を交し合うことにより期待はますます大きなものになり、不安はまたたく間に消え去ります。挨拶という漢字には次のような意味があるそうです。


挨・・・心を開く   拶・・・その心に近づく
このことから自分の心を開くことで、相手の心を開かせ相手の心に近づいていく積極的な行為といえる。そして挨拶は「あなたの存在を見つけました。よろしくお願いします」という人間関係をスタートさせるためのコミュニケーションの重要な第一歩となる。また挨拶は相手の目を見て、明るく、元気よく、心を込めてするのが大切である。

今年度も今まで通り、朝のあいさつに立つつもりです。その時はハイタッチ、シェークハンド(握手)、ハグ等でスキンシップをはかり、心の距離を縮めたいと思っています。よろしくお願いします。